国語学史と社会学および民俗学

人間関係と性の自任は(明かされていないとしても)不可分であるが、国語学の発展にもそれは無関係ではない。学界では、一人の女性を巡って二人の男性が決闘まがいのことまでしたという噂も存在している。男女の中であれば後世にも(噂の形で)形継がれやすいが、いわゆる同性同士であれば、その関係性はまったく他から探ることもできないし、探ること自体許されないのが現状である。LGBTに関する差別が無くなり、日常的に男×男、女×女も色恋沙汰として語ることが再びできるようになったら、改めて人間関係に基づく国語学史の記述を考え直す必要が出てくるかもしれない。その時、秘録でも噂でもなんでも残っていることが望ましいが、現状ではそれを残すこと自体が差別とのも直結するものであり、この辺りはとても難しい。しかし、純粋に学問の歴史をたどる上では(たとえば男性教員同士の色恋沙汰は何もなかったということも含めて)とても大切な情報なのだろう。追って考えたい。